なんかそうゆうの

よってたかって。。なんかおもろいなぁとおもうことを

雑草という草はない

雑草という草はないのです...。」ずっと以前に読んだ入江侍従長昭和天皇との思い出を綴られたエッセイの中でのエピソードで、お留守中に草刈りをした入江さんに昭和天皇がおっしゃられたお言葉なのですが、そのときに昭和天皇がとても残念そうにされていた、というのがずっと印象に残っていました。

最近、何気なくラジオを聴いていると「雑草は踏まれたら生えてきません...」という言葉が飛び込んできて、お話しにひきこまれました。雑草学がご専門の稲垣栄洋という方がお話しになっていて、「雑草は実はとても弱い植物で踏まれたら普通は枯れてしまう」とおっしゃられていました。そして、「弱いからこそ慎重に周りを観察していて、たとえば土のなか種は明るさを感じることができて、芽をだしてもその上に競争相手となる草がいない..と判断して出芽する」のだそうです。なので、草刈りをすると「上に競争相手がいない!」と判断した種がいっせいに発芽し、私たちは、草を刈ったのにすぐまた生えてきた、ように感じてしまうのだとか。実は雑草は育てるのがとても難しく、専門家でも種から育てることが極めて難しいのだとか。。

昭和天皇は自然科学者でもいらっしゃいましたが、自然を本当に愛され、ご自身で深く自然をご観察になられていたのでしょうね...。だから愛されていた草たちが刈られてしまったことを残念がられていたのでしょう。博物学者の南方熊楠のこともお御歌に詠まれるほどに敬愛なさっていましたが、真の自然科学者でいらしたのだなぁ。。とおもいます。夏草が繁茂してくるこの時期になると、いつもこのお言葉を思い出します...